財団法人マイクロマシンセンター

[No.2006-05] 2006年5月15日発行


ニ ュ ー ス 目 次  


  1 第12回国際マイクロマシンサミットの開催
  2 ハノーバー・メッセ2006報告
  3 第8回マイクロナノ先端技術交流会の開催



  1 第2回日韓中MEMS標準化ワークショップの開催
  2 マイクロナノ2006の開催
  3 第7回MEMS講習会の開催



  1 月例経済報告 (平成18年4月)
  2 高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクト公募


  
ニ ュ ー ス 本 文



1 第12回国際マイクロマシンサミットの開催

 第12回マイクロマシンサミットが、4月27日(木)から29日(土)の3日間、黄砂で霞む中国・北京近郊のホテルJIU HUA SPA & RESORTにて開催されました。
今回は、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、日本、韓国、シンガポール、スイス、台湾、イギリス、米国、ベネルックス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)、EU、地中海沿岸地域(イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ)、ノルディック(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)の17の国・地域から88名のデリゲートおよびオブザーバーの方々が参加されました。日本からは、隣国の中国で開催されたこともあって、東京大学下山勲教授をチーフデリゲートとして、海外で開催されたサミットとしてはこれまでで最も多い16名の方々が参加されました。
 会議は27日と28日の2日間に清華大学のProf. Zhaoying Zhouをチェアマンとして行われ、6つセッション(①Country/Region Review, ②Strategy & Cooperation, ③Infrastructures & Education, ④Market, Industralization & Standardization, ⑤To Nano-Technology, ⑥Innovative Technology)にて54件もの発表がなされました。
 日本からは5件の発表があり、①のセッションでは東京大学下山勲教授より「Fine MEMS -upcoming MEMS project-」と題し、今年度より開始される高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクトの概要に関する発表が行われ、④のセッションでは当センター専務理事青柳桂一より「Towards advancement of MEMS industry in Japan」と題し、この4月に発足したMEMS協議会を中心に当センターの活動に関する発表が行われ、⑤のセッションではオリンパス株式会社取締役専務執行役員寺田昌章氏より「Nano-Bio MEMS technology for Medical Application」と題し、オムロン株式会社執行役員常務今仲行一氏より「Micro and Nano technology in Japan -Example of OMRON Corporation-」と題し、さらに三菱電機株式会社先端技術総合研究所映像技術部門統轄部長堤和彦氏より「Micro/Nano technologies at Mitsubishi Electric Corporation」と題し、各企業のMEMSおよびナノテクノロジーへの取り組みに関する発表が行われました。日本の発表はいずれも内容的に優れ、海外の参加者から非常に好評であり、サミットの永久事務局としてのわが国の立場を各国に再認識させたように思われました。両日の会議終了後の夜には、照明で美しく浮かび上がる万里の長城と天安門を眺めるツアーも企画され、参加者間の懇親を深め、充実した一日を送ることができました。
 29日にはテクニカルツアーが行われ、清華大学と精華大学によりサポートされているCapital Biochip Corporationの見学が行われ、成功裏にサミットは閉会しました。
 来年の第13回マイクロマシンサミットは4月26日から28日にイタリアのベネチアで開催されることが決まりました。さらに来年以降も韓国、カナダ、イギリス、インドが開催を希望しており、今後、サミットがMEMSおよびナノテクノロジーに関する国際交流の場として益々活発化することが期待され、大いに活用して頂きたいと思います。
http://www.mmc.or.jp/kokusai/summit/summit.html


2 ハノーバー・メッセ2006報告

 世界最大の産業見本市といわれるハノーバー・メッセ2006(ドイツ・ハノーバー市)に、マイクロマシンセンター(MMC)として初めて出展し日本におけるMEMS産業の状況と、MMCの活動であるMEMS協議会による産業化支援活動、MEMSファンドリーサービスネットワーク等について紹介しました。

 ハノーバー・メッセは複数の専門見本市が同時期に、同一会場で開催される複合見本市で、毎年世界65カ国以上から6,000社前後の出展社が参加し、20万人前後のビジター、3,000人の報道関係者が訪れる世界最大規模の産業見本市で、本年は4月21日から28日まで開催されました。日本企業も約50社が出展、日本のビジターは1,000人以上にのぼります。(ドイツ産業見本市日本代表部資料)初日にはドイツ・メルケル 首相と今年のパートナー国であるインドのシン首相も会場を訪問されました。

 MMCではMEMS協議会の国際交流活動として、海外アフィリエートとのネットワーク構築を進めており、その一環として今回ドイツ・ドルトムンド市を拠点とするマイクロシステムテクノロジー産業化支援団体であるiVAMが主催する専門見本市「マイクロテクノロジー展」に出展しました。この「マイクロテクノロジー展」はハノーバー・メッセ全体で10ある専門見本市の一つでマイクロシステム、ナノテクノロジーの応用に焦点を絞った展示会です。今年は7カ国、57企業・団体が出展し期間中多くの来場者が訪れ盛況を博しました。MMCはMEMS協議会の会員企業であるオムロン株式会社、オリンパス株式会社、松下電工株式会社様のご協力を頂き、
 ・日本のMEMS産業化現状と今後の進展
 ・MEMS協議会の狙いと活動状況
 ・MEMSファンドリーサービスネットワーク
 ・MEMS-ONEの概要
 ・オムロン株式会社のRF-MEMS開発状況紹介
 ・オリンパス株式会社のMEMSファンドリー事業紹介
 ・松下電工株式会社のMEMSファンドリー事業とMEMSデバイス紹介
をパネル展示しました。(写真2)

 また、併せて開催されたマイクロテクノロジーフォーラムにおいてキーノート講演、“Toward Industrialization of MEMS Technologies”をMMC国際交流担当安達が行い、日本のMEMS産業化推進のための政策、MEMS協議会の狙い、産業化推進のための国際ネットワークの必要性について発表しました。

 「マイクロテクノロジー展」の特長は来場者へのPR・商談に加え、各国からの出展者同士が商談や情報交換を行う場として機能しており、MEMS協議会の海外アフィリエートの候補としてあげている多くの団体・研究機関と交流し、ネットワークの重要性について認識を共有でき、多くの成果を得ることができました。MMCとしては国際交流事業の一環として引き続き出展を検討しており、今回の成果、反省点を活かしMEMS協議会の活動の充実を図りたいと考えております。

 会場には他に日本から企業5社と仙台市経済局が出展し、ドイツ40企業・団体に次いで多い出展数でした。続いて台湾が4企業・団体の出展でアジアからの出展が目立つ専門見本市でした。
 最後になりましたが、出展に際しパネル制作、説明員派遣等多大なご支援、ご協力を頂いたオムロン株式会社、オリンパス株式会社、松下電工株式会社の関係各位に感謝申し上げます。

3 第8回マイクロナノ先端技術交流会の開催

 第8回マイクロナノ先端技術交流会が4月21日(金)に開催されました。講演は、京都大学小寺秀俊教授をお迎えして、「細胞生体機能シミュレーションと細胞機能計測」というタイトルで講演していただきました。
 今回はMMC賛助会員以外の企業からも多数参加され、講演終了後の交流会に於いても質疑応答が続き、マイクロナノに対する関心の高さが伺えました。
 今後も3ヶ月に1回程度開催することとしていますが、さらに、遠方より来られる方々に配慮した講演内容(例えば、講演者を複数にして行う等)を検討して、実施してゆきたいと考えています。引き続き、参加方よろしく御願い致します。




1 第2回日韓中MEMS標準化ワークショップの開催

 昨年11月、IEC東京会議が開催されたのを機に、日本、韓国、中国の三国間でMEMS標準化の取組状況および今後の標準化の考え方に関する意見交換を行うことを目的に日韓中MEMS標準化ワークショップを開催しました。各国にとって本当に有意義なものでしたので、今後、相互の国際標準化活動の情報交換のみならず、3ヶ国でMEMSに関して共同で研究開発や標準化提案を行う可能性についても議論を進めるため、ワークショップを各国持ち回りで毎年開催することを約束しました。第2回ワークショップは、6月22日~23日の2日間、韓国・慶州にて開催されることが決まり、現在日本からのスピーカーなどについて準備を進めております。 プログラムの詳細については決まり次第お知らせいたします。

   第2回日韓中MEMS標準化ワークショップ
   開催日時:平成18年6月22日(木)~23日(金)
   開催場所:コンコードホテル、慶州 http://www.concorde.co.kr

2 マイクロナノ2006の開催

 今年から、毎年行っておりましたマイクロマシン展、国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム、プロジェクト成果発表会を包含して、ビジネス交流の場としての総合イベント「マイクロナノ」として開催いたします。
今年の「マイクロナノ2006」では、プロジェクト成果発表会として「MemsONE(MEMS用設計・解析支援システム:平成19年度よりサービス開始予定)」、さらにMEMS協議会の政策提言アピールの場としての「MEMSフォーラム」も加え、11月7日(火)~9日(木)の日程で開催することで、現在準備を進めています。

  開催場所:東京国際フォーラム
  日  程:11月7日~9日 第18回マイクロマシン展
       11月7日    MEMSフォーラム
       11月8日    第12回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
       11月9日    MemsONE成果発表会 

 総合イベントとすることで、国内外からのマイクロナノ関連団体・企業とのビジネス交流・連携が一層深められるものと期待しております。詳細は、マイクロマシンセンターのホームページ「マイクロナノ2006」をご参照ください。

3 第7回MEMS講習会の開催
 当センターファンドリーサービス産業委員会では、MEMS産業の裾野を広げ、その発展を促進するために初心者・中級者を対象に現在まで6回のMEMS講習会を開催してきましたが、今回は中・上級者向けに下記のとおり第7回MEMS講習会「MEMSの設計・加工技術と応用例」を開催いたします。積極的なご参加をお願い致します。

 第7回MEMS講習会「MEMSの設計・加工技術と応用例」(中・上級者向け)
  ◇日 時:2006年7月10日(月)13:00~17:50~19:00
  ◇場 所:アルカディア市ヶ谷(東京・私学会館)6階阿蘇及び6階伊吹
  ◇参加費:18,000円  ◇定 員:100名 
  ◇参加申込:http://fsic.mmc.or.jp/mems-koshu/koshu-7/koshu-7.htmlを参照下さい。
  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ プログラム ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
       第7回MEMS講習会「MEMSの設計・加工技術と応用例」
   13:00  主催者挨拶
        青柳 桂一 (財団法人マイクロマシンセンター 専務理事)
   13:10  MEMSの集積・融合の進展と新産業創出への期待
        杉山 進  (立命館大学理工学部 教授)
   14:10  MEMS加工技術の現状と動向
        滝川 敏二 (住友精密(株) マイクロテクノロジー事業部 支配人
   15:05~15:40
          技術相談会(各社パネル展示説明)及び休憩
   15:40  自動車用MEMSの現状と技術動向
        野々村 裕 ((株)豊田中央研究所 車両・安全・ITSセンター 推進責任者)
   16:35  材料データベースを活用したMEMSの設計技術
        土屋 智由 (京都大学大学院 工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 教授)
   17:30  ファンドリーサービス産業委員会活動紹介
        富井 和志 (松下電工(株) 生産技術研究所 微細プロセス開発センター 主担当)
    休憩 17:50~18:00 ----
   18:00~19:00   懇談会 (6階伊吹)

   



1 月例経済報告 (平成18年4月)

 内閣府が発表した月例経済報告(平成18年4月)の総論部分は次の通りです。

 (我が国経済の基調判断)
 景気は、回復している。
  ・企業収益は改善し、設備投資は増加している。
  ・個人消費は、緩やかに増加している。
  ・雇用情勢は、厳しさが残るものの、改善に広がりがみられる。
  ・輸出は増加し、生産は緩やかに増加している。
 先行きについては、企業部門の好調さが家計部門へ波及しており、国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる。一方、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要がある。
 (政策の基本的態度)
 政府は、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」に基づき、構造改革を加速・拡大する。また、平成18年度予算、税制改正法案等の成立を受け、これらを着実に執行・実施する。
 重点強化期間内におけるデフレからの脱却を確実なものとするため、政府・日本銀行は一体となった取組を行う。
情報入手: http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei.html


2 平成18年度 高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクト公募

 3月28日付けで、NEDOから「高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクト」が公募されました。予算規模は11億円/年、期間は平成18年度から3年間で研究開発内容は、
 (1)MEMS/ナノ機能の複合技術、
 (2)MEMS/半導体の一体形成技術
 (3)MEMS/MEMS高集積結合技術
 (4)高集積・複合MEMS知識データベースの整備
の4つの研究開発項目からなります。各研究開発項目は、それぞれ約4つの開発課題に分けられ、開発課題別に企業を対象とした助成事業と、先駆的な技術課題に取り組む大学、国研を対象とした委託事業の2つの事業形態を採ります。

 当センターも、今後のMEMS産業のステップアップに新たな技術基盤の確立が重要という認識からこのようなプロジェクトの創設を提唱して来た経緯もあり、本プロジェクトに対して具体的提案を致しております。採択された暁には、積極的に取り組んでいく所存です。
 

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