No.2004-01
2004年1月9日発行
目  次
Ⅰ 国内外トピックス
  1 2003年マイクロマシンセンターの10大ニュース
  2 新聞記事
Ⅱ マイクロマシンセンターの動き
  1 第3回MEMS関連市場の現状と日本の競争力分析に関する委員会の開催
  2 第3回専門用語委員会の開催
  3 第3回材料特性標準化委員会の開催
  4 マイクロ・ナノ技術交流会の開催
  5 第8回ファンドリーサービス産業委員会の開催
  6 第4回MEMS関連市場の現状と日本の競争力分析に関する委員会の開催
Ⅲ 行政動向
  1 平成16年度一般会計歳出概算(政府案)
Ⅳ 外部団体情報
  1 マイクロマシン連合のホームページ更新される
  2 独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構の事務所移転
Ⅴ イベント案内
  1 当センター主催のイベント
  2 その他のイベントのお知らせ
Ⅵ その他会員への情報  
  1 ロボット三団体合同賀詞交歓会のご案内
  2 マイクロマシンセンターのホームページ大幅更新


本  文
Ⅰ 国内外トピックス

1 2003年マイクロマシンセンターの10大ニュース

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 さて、昨年(2003年)を振り返りますと、社会面ではアジアのSARS禍、イラク戦
争を始め暗いニュースが多かったような気がいたします。一方、経済面では国内景況がなかなか回復せず、重苦しい局面が続きましたが、その中でデジタル家電分野に新たな三種の神器(デジカメ、デジタルレコーダー、薄型テレビ)が出現し、景気回復へのかすかな光明が見えてきたような気もいたします。
 このような状況の中で当センターにおきましては、今や製造業のキーデバイスとなりつつあるMEMSの産業化を推進する活動に着手し、さらには次世代マイクロマシン、NEMS等の新たなフロンティアへの挑戦が始まった年であったと思います。以下、当センターの十大ニュースをご覧いただき我々の活動状況をご賢察いただければ幸いです。

 (1)MEMS産業化共同調査研究委員会が発足し活動開始
   平成15年度から3ヶ年事業として始まったMEMSプロジェクトを後押しする狙いで、MEMS産業化共同調査研究委員会が発足しました。
   本調査研究委員会ではMEMS関連企業、大学・公的研究機関の現状と抱えている課題を分析し、MEMS産業の裾野の拡大と早期立ち上げに向けた提言をしていく所存です。

 (2)第14回マイクロマシン展の入場者数が過去最高
   マイクロマシン展の出展数、入場者数は昨年の記録を大幅に更新しました。今年は昨年の出展数187団体を軽く超え238団体に達しました。また、入場者も昨年は8,424人に対して8,793人と盛況でありました。この出展数及び出展小間数の増加に伴い、マイクロマシン展の展示会場として初めて科学技術館一階の全ホール、準備室及びラウンジの一部も使用して開催しました。このように開催毎に盛況になってきている背景には、マイクロマシンという言葉が先端技術のイメージを伴った形で多くの人に知れ渡ってきたことが上げられますが、出展ブースの拡大も一つの要因になっているかもしれません。来場者が多いということは出展希望が増えることにもなるのでプラスの循環にもなリます。2004年は11月10日~12日に開催します。

 (3)第9回国際マイクロマシンシンポジウム成功裏に終わる
   2003年の「第9回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム」は、経済産業省の平成15年度施策「フォーカス21」にMEMSプロジェクトが組み込まれたことを受け、マイクロマシン技術が、ナノ領域でナノテクノロジーとの融合によって新たな機能を生み出す期待に応えるため、この融合領域の技術、特にその応用が拓けてきたMEMSを中心にプログラムを編成しました。海外からの6名を含め計13名の講演者を招待しました。いずれの講演も、国内外の第一線で先端技術の研究開発を進めているエキスパートの貴重な事例を織り込んだ内容でした。特にMEMSの産業化に関するパネルディスカッションでは、聴衆の質問に対しパネリストが回答する形で行われ、その熱の入った質疑応答に会場全体の関心が集中し大変好評でした。2004年の第10回シンポジウムは、11月11日(木)に開催します。特に賛助会員の皆様の参加を期待しております

 (4)日本発のMEMS関連世界標準を次々に提案・審議中
   MMCでは、MEMS/マイクロマシンの専門用語、および材料評価方法をIEC (国際電気標準会議)/ TC47(半導体デバイス)に国際標準として提案する事業を推進しております。用語部会で十分な検討がなされた日本提案は、ほぼ主張通りの用語採否が決定されました。定義も日本が作成することになり、用語集をCDV(committee draft for vote)に進めることが決定しました。さらに、MEMS材料評価法規格として日本が提案した2件(薄膜材料引っ張り試験法と標準試験片作成法)についてもCD(committee draft)に進めることが決定し、日本がMEMSの標準化分野で主導的な役割を担う、という実りある成果が得られました。今後も標準化全体のロードマップを考慮しつつ、ドラフト策定等を進めてまいります。

 (5)MEMS設計・解析支援シミュレーションシステムに関する調査研究が終了し、H16年度MEMSソフト事業の予算化に貢献
   (財)機械システム振興協会からの委託事業「MEMS設計・解析支援シミュレーションシステムに関する調査研究」(H15/10~H16/6)は、東京大学の藤田博之教授を委員長とする調査研究委員会による調査研究が終了し、その結果を報告書にまとめ、経済産業省に報告しました。その結果、報告書に盛り込まれた提案が、平成16年度の新規プロジェクト「MEMS用設計・解析支援システムの開発」の予算化に生かされ、MEMS産業化をソフト面から支援する新規プロジェクト発足に大きく貢献することができました。

 (6)過去最高の賛助会員数
   平成4年に当センターが設立され、10年間にわたり産業経済産業省のマイクロマシン研究開発プロジェクトを推進してきましたが、近年、製造業にキーデバイスになりつつあるMEMS産業化に高い関心が寄せられ、2003年に賛助会員数が過去最高になったものと思われます。今後も次世代マイクロマシン、NEMS等の基盤技術確立を目指し、より多くの企業、団体の入会できる体制作りをしてまいります。

 (7)ファンドリー産業委員会主催「第1回MEMSファンドリーサービス講習会」が大盛況に終わる
   7月18日(金)中央大学駿河台記念館で開催の当センターファンドリーサービス産業委員会主催の第1回MEMSファンドリーサービス講習会「MEMS設計・加工技術」は、最近のMEMS産業に対する関心の高さから、募集開始から一週間で参加申込者が定員の100名に達し、以後は申込みをお断りせざるを得ない状況でした。当日の実際の参加者は事前申込者113名と講習会発表者、及び当センター職員を含め、134名と大盛況の講習会となりました。今回の講習会が初心者及び中級者向けであったこともあり、20~30歳代の若い参加者が多いのが特徴でした。また、講習会の最後には初めての試みとしてMEMS相談デスクを設け、さらに、講習会終了後別室にて簡単な懇談会の場を設けましたが、こちらも熱気溢れる状況でした。第2回MEMSファンドリーサービス講習会を1月20日(火)に京都で開催致しますのでご期待ください。

 (8)(財)産業研究所から「MEMS関連市場の現状と日本の競争力分析に関する調査研究」の受託事業開始
   これまで日本が培ってきたマイクロマシン技術は、半導体製造技術や精緻な加工技術と結びついて、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems;微小電気機械システム)という新たな領域で実用化が進んでおります。しかしながら、MEMSとしての関連市場規模や産業構造、国際競争力などについて正確な把握がなされておりませんでした。今回の受託事業では(1)関連市場の把握手法を確立し市場を算出すること、(2)ヒアリングにより国内MEMS産業構造を調査すること、(3)ヒアリングにより米国MEMS産業の実態を調査すること、を通して、MEMS関連市場の現状と日本の競争力分析について調査研究します。この事業が今後のMEMS産業の発展に大きく貢献できるように進めてまいります。

 (9)マイクロマシンセンターのホームページ更新準備
   今までご利用いただいておりました当センターのホームページの見直しをしてまいりました。この度、職員一丸になって完成の目処が立ち1月からスタートすることになります。旧版では、コンテンツの整備、作成や更新体制に問題があり、新版ではそれらを明確にしてタイムリーに情報提供できるようになりました。また、情報会員専用ページを作成して委員会情報、MMCニュース、マイクロマシンベータベース等のサービスを充実した内容となっております。

 (10)SARSの影響で、第9回国際マイクロマシンサミット、開催中止
   第9回国際マイクロマシンサミットは、2003年4月28日-30日の3日間、中国の北京で開催されることになっていました。しかし、広東省で発生した新種のビールスによる重傷急性呼吸器症候群(SARS)の影響でWHO調査の進展と中国出張に対する勧告を考慮して2003年の北京サミットは中止することになった。しかし開催の機会を失った中国の立場を考慮して、北京サミットは2005年に再開することになっている。2004年のサミットはフランスのグルノーブルで開催されます。


2 新聞記事

12月11日 日経産業新聞
  形状記憶合金 熱と磁場で変形制御:マイクロマシンに応用;東北大、複雑な動き可能に

 東北大学の大塚誠助手らの研究チームは磁場と熱で変形する形状記憶合金を開発した。外部から加える磁場と熱を連携して制御すれば複雑な動きが可能になり、マイクロマシンの駆動機構などに応用できる。開発したのはニッケルとマンガン、ガリウムからなる合金。スパッタ法により薄膜を作った。地磁気の10万倍に当たる約5テスラの磁場をかけると最大で約3ミリ反り返り、セ氏50度程度の熱で元に戻る。薄膜を板状のカンチレバーに加工、実際の駆動具合を確かめる小型の装置も試作した。1秒間に70回以上の往復運動が可能なことを確認した。

12月12日 日刊工業新聞
  東大が「人工皮膚」開発:有機半導体の新領域を開拓;ロボットに微妙な触覚


 東京大学の染谷隆夫助教授と桜井貴康教授は、有機半導体の新しいアプリケーションとして「人工皮膚」を開発した。この人工皮膚は有機トランジスタと感圧ゴムを集積したエリアセンサーで8×8センチメートルの広い面積を持つ。感圧ゴムに圧力を感じると、電流が流れ、その部分を有機トランジスタが検出する仕組みだ。このエリアに圧力を感じる痛点が32×32のアレー状に並ぶ。この技術は来年2月開催の国際固体回路会議(ISSCC)でも発表される。
 
12月12日 日経産業新聞
  直径1ミリの超音波メス:内視鏡に装着可能;東工大が開発

 東京工業大学の黒沢実・助教授らは振動部の直径が1ミリメートルの微小な超音波メスを開発した。従来は10ミリメートルあった振動部を小型化し、内視鏡の先端部に取り付けられる。メスが触れた部分の硬さを測る機能もあり、欠陥などを誤って切断する医療事故を防げるという。開発したメスの振動部は、電圧をかけると伸び縮みする圧電素子をチタン基板の上に貼り付け、基板ではさむように直径1ミリメートル、長さ7.9ミリメートルの針を取り付けた。チタン基板と圧電素子に電圧をかけて針部分を300キロヘルツの周波数で振動させ、がんなどの患部を切り取る。5年後をめどに実用化を目指す。

12月14日 日本経済新聞
  ハードディスク装置:東芝、最小の500円玉サイズ;動画2時間、携帯に保存

 東芝はコンピューターや映像機器などの記憶媒体となるハードディスク駆動装置(HDD)で、世界最小となる直径0.85インチ(約2.1センチ)の製品を開発した。携帯電話に内臓すれば高画質の動画を最大で2時間保存できるほか、テレビ番組を録画・再生できる超小型の携帯端末の開発にもつながる。2004年夏にも受注を始め、2005年から量産を目指す。0.85インチ型は磁気ディスクが100円玉より小さいサイズで、駆動モーターや制御部品など周辺部をあわせても500円玉程度。記憶容量はフロッピーディスク2000枚分にあたる2-3ギガバイト。

12月24日 日刊工業新聞
  アクセスエンジ、微細加工に進出:MEMS関連を開始;独自電鋳技術で受託事業

 アクセスエンジニアリング(埼玉県新座市)は、独自の電鋳技術に基づく微細加工事業を立ち上げた。MEMS関連に照準を合わせ、受託加工や各種試験などを請け負う。電鋳技術がMEMSとマッチするとみて、急拡大しているMEMS市場に橋頭堡を築く。同社では、マイクロ/ナノオーダーのものをニッケル電鋳金型で作製する設備、技術、ノウハウを確立。電鋳の微細加工技術が、マイクロマシンなどMEMSと相性がいいことに注目し、MEMS関連の需要の掘り起こしに重点的に取り組む。

12月25日 日経産業新聞
  ナノ精度モーター:位置合わせ自在に;東工大、加工装置向け開発

 東京工業大学の黒沢実・助教授らは、ナノメートル単位の精度で動かせる小型モーターで、従来より位置決めの移動幅が極めて大きい装置を開発した。材料の表面を原子レベルで観察する走査型プローブ顕微鏡(SPM)の小型化やナノ精度で精密加工する工作機械の開発などにつながる。開発したのは「弾性表面波モーター」というタイプ。シリコンの板を移動させモーターの性能を確認した。幅1.4センチ長さ約6センチ厚みが1ミリのモーターを使うと、1キログラムのおもりを持ち上げられ、最高秒速1.5メートルで動かせる。

12月25日 日刊工業新聞
  MEMSを共同開発:0.5ミリ角に通信・記録可能;オムロン、立命館大

 オムロンと立命館大学は24日、微小電子機械システム(MEMS)の研究開発や教育で連携すると発表した。2004年度から共同で開発に取り組むのは、0.5ミリメートル角の大きさに通信機能や記録機能など複数の機能を併せ持つMEMS。相互の研究施設を互いに利用し、研究開発を促進する。今後、双方で環境計測や化学分析など開発するMEMSの用途を決め、3年以内の製品化を目指す。立命館大は来春、理工学部にマイクロ機械システム工学科を新設し、MEMS研究に注力する。

1月7日 日本経済新聞
  超小型ICタグ「ミューチップ」:日立、海外でも展開

 日立製作所は超小型ICタグ(荷札)「ミューチップ」事業を海外でも展開する。米国と英国に担当駐在員を置き、各国の電波法などの規制に適合したチップを開発する。政府機関や企業向けのミューチップの営業も進める。様々な有価証券や商品の偽造防止など向けに世界的に需要が拡大すると見ている。ミューチップは0.4ミリ角の世界最小級のICチップ。128ビットのデータを書き込むことができ、後から書き換えができないため、偽造防止や商品の生産履歴管理などに利用できる。日本国内では2.45ギガヘルツ帯の電波を使い、30センチ程度の距離を無線でデータを読み取り機とやりとりする。日本では2005年開催の日本国際博覧会(愛知万博)の入場券に使われる。

1月7日 日刊工業新聞
  ハンド技術で知財ビジネス:微細部品向け 電子ピンセット試作;三菱電機

 三菱電機は独自のハンド技術をもとに、知的財産権ビジネスを拡大する。1ミリメートル前後の微細部品などをつまみ上げることのできる技術。これまでの小型ロボット用ハンド部に加え、新たに電子ピンセットの試作モデルを完成。省力機器メーカーなどへの技術供与を積極的に進め、ライセンス料を収益源に事業形態を確立する。中核技術となる「マイクロアクチュエーター」は、微細化するIT関連部品などに対応するため最小0.6ミリメートルの大きさの部品をつかめるロボット用ハンドとして開発。基本特許を取得した。

Ⅱ マイクロマシンセンターの動き


1 第3回MEMS関連市場の現状と日本の競争力分析に関する委員会の開催

 産業研究所からの委託によるMEMS関連市場の現状と日本の競争力分析に関する調査研究の第3回委員会(委員長:東京大学 下山勲教授)が12月3日(水)に開催されました。
今回は、MEMS関連市場調査と国内産業構造についての中間報告を確認し、日本の競争力について議論しました。
市場調査については、一部の産業分野について、初めてMEMS関連市場が見積もられ、今後の調査にいっそうの期待ができてきました。国内産業構造調査については、「機能検証から製品化への難しさ」が浮かび上がってきましたが、まだ日本の競争力向上のための提言には至らず、委員会を追加召集して、さらに議論することとなりました。

2 第3回専門用語委員会の開催

 標準化委員会第3回専門用語部会(委員長:諸貫信行 東京都立大学)が12月4日(木)に開催されました。今回はIEC (国際電気標準会議)/ TC47(半導体デバイス)への提案結果を中心に報告がなされ、会議では中国、韓国、日本のコメントが審議され、ほぼ日本の主張通りの用語採否が決定された旨が報告されました。また、MEMS分野では次々と新用語が誕生する傾向があるため、これをそのたびに取り入れるのではなく、現在の用語集を規格として完成させた後、メンテナンスサイクルを短くして、その中で新規用語を採用していくことが決まりました。審議の結果、MEMS用語集をCDV(committee draft for vote)に進めることが決定し、追加用語の定義などもとりまとめ、日本が2004年3月にドラフトを提出することになりました。

3 第3回材料特性標準化委員会の開催

 第3回材料特性標準化委員会(委員長:大和田邦樹 国際標準化工学研究所 所長)が12月9日(火)に開催され、IEC (国際電気標準会議)/ TC47(半導体デバイス)への新規格提案を行った結果を中心に報告がなされました。日本提案は、投票多数決かつ4カ国以上の賛成により採択され、MEMS材料評価法2規格案をCD(committee draft)に進めることが決定した旨が報告されました。日本は2004年3月にドラフトを提出することになり、そのためのとりまとめや修正等を次回委員会で最終Fixしていきます。国内のJIS化についても並行して検討を進めています。

4 マイクロ・ナノ技術交流会の開催

 当センターでは、マイクロ・ナノ先端技術に関係している賛助会員企業の専門家を対象に、マイクロ・ナノ技術に関する各産業分野における先端技術への認識と理解を深め、マイクロ・ナノ技術の普及啓発と産学の技術交流を図ることを目的として、新たに本年度から年数回技術交流会を実施することに致しました。そこで、バイオテクノロジーの専門家である北陸先端科学技術大学院大学の民谷栄一教授を講師にお招きし、第1回技術交流会が12月18日(木)に当センターで開催されました。青柳専務理事の主催者挨拶に続き、民谷教授の講演「バイオMEMSの産業化基盤技術について」が行われました。
 講演は、先ずバイオテクノロジーとナノテクノロジーとの接点について、ナノ解析・操作のためのツール(ナノ直接観察方法、ナノ操作方法等)の重要性について具体的事例をあげながら判り易く説明され、ナノテクノロジーやマイクロチップテクノロジーがバイオテクノロジーを大きく発展させる可能性について言及されました。また、応用例として、MEMS技術を用いるマイクロフロー型バイオセンサーの開発事例について研究成果を発表されました。講演後に民谷先生および参加者同士(23名)の簡単な懇談の場を設け、技術交流を図って頂き有意義なマイクロ・ナノ技術交流会となりました。今後引き続き先端技術応用分野に関する技術交流会を開催致しますので、ご期待の上是非ご参加ください。

5 第8回ファンドリーサービス産業委員会の開催

 第8回ファンドリーサービス産業委員会(委員長:オリンパス光学工業(株)、三原孝士氏)が12月19日(金)に開催されました。今回は、最初に「MEMS関連ソフトベンダー8社に対するヒヤリング」を行い、その後今年度の事業内容に関する議論が行われました。このヒヤリングは、経済産業省が平成16年度新規プロジェクト予算化検討の一環として当委員会に実行依頼したもので、当センターの調査研究委員会(委員長:藤田博之東京大学教授)の調査研究(H14/10~H15/6)成果をまとめた「MEMS設計・解析支援シミュレーションシステムに関する調査研究報告書(平成15年6月発行)」を基に、国内の主要ソフトベンダー8社に対しMEMS設計・解析支援ソフト開発に関する各社の状況をヒヤリング致しました。

 ファンドリーサービス産業委員会の事業内容に関する主な議論の概要はつぎの通りです。
  ・第14回マイクロマシン展(11月11日~14日、 科学技術館にて開催)への出展及び出展者プレゼンテ
   ーション結果:
     マシン展総入場者数:8,793名、出展者数:238団体(323小間)と大盛況。
     MMCのブースに当委員会の活動内容パネルを2枚展示。当委員会プレゼンテーション参加者:60
      名と盛況。
  ・第2回MEMSファンドリーサービス講習会の開催:
     第2回MEMSファンドリーサービス講習会は京都で平成16年1月20日(火)13:00から行う。概要は
     下記参照。
  ・各社の得意技術紹介:フジクラと松下電工のMEMS技術紹介が行われた。
  ・当委員会ホームページの全面改訂案検討:
     ファンドリーサービス産業委員会の活動内容及び委員企業の特徴、得意技術を一般に広く理解して
     貰うために、ユーザーフレンドリーな、使いやすく見やすいホームページに全面改訂する。(平成16
     年1月予定)

           第2回MEMSファンドリーサービス講習会「MEMS設計・加工技術」
             日時  2004年1月20日(火)13:00~17:30~19:00
             場所  ぱ・る・るプラザ京都(JR京都駅前) 6階 会議室 D
                      〒600-8216 京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676-13
                                Tel:075-352-7444(代) FAX:075-352-7390
             主催  財団法人マイクロマシンセンター
                  ファンドリーサービス産業委員会
                          プログラム
     13:00  主催者挨拶   青柳 桂一 (財団法人マイクロマシンセンター 専務理事)
     13:05  新産業創出のキーとなるMEMSテクノロジー
           杉山 進  (立命館大学理工学部 教授)
     13:35  光MEMSを中心としたMEMS設計技術
           坂田 芳孝 (オリンパス(株) 研究開発センター MEMS開発本部 
                    MEMS事業推進部 課長補佐)
     13:55  RFMEMSの設計技術
           佐藤 正武 (オムロン(株) 先端デバイス研究所 MEMSグループ)
     14:15  マイクロ流体応用デバイスの設計
           小出 晃  ((株)日立製作所 機械研究所 MEMSプロジェクト 主任研究員)
     14:35  MEMS設計におけるシミュレーション
           浅海 和雄 ((株)富士総合研究所 科学技術グループ MEMSプロジェクト 主事研
                    究員)
     ――――――――――――――― 休憩 14:55~15:05 ――――――――――――――
     15:05  MEMSの加工プロセス技術
           富井 和志 (松下電工(株) 半導体開発センター 部長)
     15:25  MEMS製造技術
           小澤 信男 (沖電気工業(株) シリコンマニファクチャリングカンパニー WPビジネス本部
                    MEMS事業推進チーム)
     15:45  MEMS製造装置      
           林 俊雄  ((株)アルバック 半導体技術研究所 第1研究部 部長)
     16:05  MEMS実装技術
           末益 龍夫 ((株)フジクラ 電子デバイス研究所)
     16:25  一般消費財につながるMEMSの商品化
           飛永 芳一 ((株)ナノデバイス・システム研究所 代表取締役)    
     16:45  ファンドリーサービス産業委員会活動紹介
           三原 孝士 (オリンパス(株) 未来創造研究所 上席研究員)
     ――――――――――――――― 休憩 17:05~17:20 ―――――――――――
     17:20~18:30  他相談デスク及び懇談会         参加者、各講演者他         
            (6階 会議室5)


6 第4回MEMS関連市場の現状と日本の競争力分析に関する委員会の開催

 産業研究所からの委託事業であるMEMS関連市場の現状と日本の競争力分析に関する調査研究の第4回委員会(委員長:東京大学 下山勲教授)が12月24日(水)に開催されました。
 今回は、日本の競争力向上のための提言について、集中して議論しました。これまでの「どのようにして取り組むか」の他に、「何に取り組むか」についても議論を行い、国が取り組むべき産業領域をピックアップしました。今後この領域についての、マーケットと技術の双方の課題を踏まえた提言を作成し、次回委員会にて確認する予定です。

Ⅲ 行政動向

1 平成16年度一般会計歳出概算
                                                       (単位:億円)
      
前年度予算額
 (当初) (A)
平成16年度
 概算額(B)
比較増減額
  (A-B)
伸率
 %
合   計 81,789,078
82,110,925
321,847
0.4

      平成16年度経済産業省予算案の概要
                                                    (単位:億円)
15年度予算額 16年度予算額 増減
合計(一般+特別) 18,255 19,080 825


      製造産業局の予算の概略                             (単位:億円)
1 競争力強化のための重点プロジェクトの推進 9.1
2 実用化を視野に入れた技術開発の推進(*1) 246.7
3 新たな価値の創造のための研究開発・技術開発等の促進 6.7
4 国際調和の下での発展基盤整備の推進 9.1
5 特定製造業の発展に向けた支援 5.4
                    (*1)実用化視野に入れた技術開発の推進
       [フォーカス21]
          15年度:21プロジェクト 204.1億円→16年度:27プロジェクト 246.7億円
       ・情報通信分野
          MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクト [ 特別会計4.3億円(新規)]


Ⅳ 外部団体情報


1 マイクロマシン連合のホームページ更新される

 マイクロマシン連合は、マイクロマシン関連の学術団体、またはこれに準ずる組織、研究会等で構成された団体(会員数:29団体)ですが、当センターが事務局を引き受け、マイクロマシン連合のホームページの管理・更新を行っております。この度、1月中旬からホームページを全面的に改定し、見やすく利用し易いユーザーフレンドリーなページを目指して今後ともタイムリーな更新を図って行く予定ですので、ご活用をお願い致します。
  マイクロマシン連合
       URL:http:// www.mmc.or.jp/fede/index.html(従来どおり)
  マイクロマシンセンター全体
       URL:http://www.mmc.or.jp(従来どおり)


2 独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構の事務所移転

 独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構の本部移転移転に伴い、2月9日より2月16日にかけて随時新事務所での業務が開始されます。
  新事務所
   〒212-8554
    神奈川県川崎市幸区大宮町1310番地
     ミューザ川崎 16階~20階(総合受付16階)
  交通機関
   JR「川崎駅」西口1分

Ⅴ イベント案内


1 当センター主催のイベント

 ・詳細は当センター調査研究部にお問い合わせ下さい。Tel : 03-5835-1870

(1) MEMSファンドリーサービス講習会
 開 催 日: 平成16年1月20日(火)13:00~17:05~18:30
 開催場所: ぱ・る・るプラザ京都(JR京都駅前) 6階 会議室D
 主  催: (財)マイクロマシンセンター ファンドリーサービス産業委員会
   参 加 費: 5,000円

(2) 第15回マイクロマシン展
 開 催 日: 平成16年11月10日(水)~12日(金)
 開催場所: 科学技術館・東京北の丸公園

(3) 第10回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムの開催
 開 催 日: 平成16年11月11日(木)
 開催場所: 科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2番1号)


2 その他のイベントのお知らせ

 ・詳細は当センター調査研究部にお問い合わせ下さい。Tel : 03-5835-1870
 ・番号上にNew の表示のあるイベントは、今回新規掲載分。

New
(1) Photonics WEST
 開 催 日: 2004年01月24日(土) ~ 29日(木)
開催場所: San Jose, California USA
 主  催: SPIE, etc.
 情報入手: http://spie.org/conferences/programs/04/pw/

(2) MEMS 2004 (17th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)
 開 催 日: 2004年01月25日(日) ~ 29日(木)
 開催場所: Maastricht, The Netherlands
 主  催: IEEE
 情報入手: http://www.mems2004.org

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(3) 国際ロボットフェア2004(国際ロボット見本市2004/世界ロボット会議)
 開 催 日: 2004年02月26日(木) ~ 28日(土)
 開催場所: 福岡市、西日本総合展示場新館
 主  催: 経済産業省中小企業庁、他
 情報入手: http://www.robotfair2004.com

(4) 第13回インテリジェント材料システムシンポジウム
 開 催 日: 2004年03月08日(月)
 開催場所: 化学会館(東京千代田区神田駿河台)
 主  催: (社)未踏科学技術協会 インテリジェント材料システムフォーラム
 情報入手: http:www.sntt.or.jp
 
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(5) センサ総合展2004
 開 催 日: 2004年04月07日(水) ~ 09日(金)
 開催場所: 有明・東京ビッグサイト
 主  催: 日本工業新聞社
 情報入手: http://www.jij.co.jp/event/sensor/
 (財)マイクロマシンセンター 後援

(6) HANNOVER MESSE (ハノーバー・メッセ国際産業技術見本市)
 開 催 日: 2004年04月19日(月) ~ 24日(土)
 開催場所: Hannover Messe, Germany
 主  催: Deutsche Messe AG
 情報入手: http://www.hannovermesse.co.jp/
 http://www.hannovermesse.de/

(7) TECHNO-FRONTIER 2004
 開 催 日: 2004年04月21日(水) ~ 23日(金)
 開催場所: 日本コンベンションセンター (幕張メッセ)
 主  催: (社)日本能率協会
 情報入手: http://www.jma.or.jp/TF/

(8) DTIP 2004 (Symposium on Design, Test, Integration and Packaging of MEMS/MOEMS)
 開 催 日: 2004年05月12日(水) ~ 14日(金)
 開催場所: Montreux, Switzerland
 主  催: Tima, IEEE, etc.
 情報入手: http://tima.imag.fr/conferences/dtip

(9) ロボティクス・メカトロニクス講演会2004 (ROBOMEC 04 名古屋)
 開 催 日: 2004年06月18日(金) ~ 20日(日)
 開催場所: 名城大学
 主  催: (社)日本機械学会
 情報入手: http://www.toyota.nitech.ac.jp/robomec04/
 (財)マイクロマシンセンター 後援

(10) European Micro and Nano Systems 2004 (EMN04) Advances & Applications for Micro & Nano Systems
 開 催 日: 2004年10月20日(水) ~ 21日(木)
 開催場所: ESIEE, Noisy le Grand, Paris, France
 主  催: Tima, ASME, and etc.
 情報入手: http://tima.imag.fr/conferences/EMN/

Ⅵ その他会員への情報

1 ロボット3団体合同賀詞交歓会のご案内

 (社)日本ロボット工業会、(財)製造科学技術センターおよび当センター合同の新年賀詞交歓会が以下のとおり開催されます。
 年初ご多忙のことと存じますが、万障お繰り合わせの上ご来臨賜りますようご案内申し上げます。
  日 時 : 平成16年1月15日(木) 12:00~13:30
  場 所 : 虎ノ門パストラル 新館1階 鳳凰の間 Tel:03-3432-7261


2 マイクロマシンセンターのホームページ大幅更新

 永い間ご利用いただきました当センターのホームページですが、2004年1月から衣替えして新たにスタートすることになりました。今回の更新の内容は、利用者にタイムリーな情報提供を目的にして、新たに賛助会員のページを作成して活動状況を見えるようにいたしました。アドレスは下記のとおりになっておりますので、これからも大いにご活用をお願い致します。
 なお、稼動日は1月15日(木)からを予定しております。
   ・マイクロマシンセンター全体
       URL:http://www.mmc.or.jp(従来とおり)
   ・賛助会員ページ(新設)
     *このページをアクセスするには、次のID、パスワードを入力して下さい
        ID:member
        パスワード:!mmc
   ・ファンドリサービス産業委員会
        URL:http://fsic.mmc.or.jp/
   ・マイクロマシン連合
        URL:http:// www.mmc.or.jp/fede/index.html(従来どおり)
 

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