MMC > 年頭所感(平成19年)

 平成19年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年はどのような年になるのか見当もつきませんが、なんとかしてよい年にしたいものです。
 さて、堅調な国内需要に支えられ、回復基調にあったわが国の経済ですが、昨年来の原油価格や材料・部材高騰の影響で企業(特に製造業)の業績回復に暗雲がかかっています。これに呼応するように、日本を代表する名門企業において製品の信頼性に係る重大な不具合が多発するなど、わが国製造業の根幹を揺るがす事態に遭遇しており、これまで製造業を支えてきた設計・製造・品質評価などの基盤技術が弱体化しつつあるのではないかと危惧しております。

 昨年、安倍新総理は日本を世界一のイノベーション国家にしたいということで、イノベーション25という施策を打出しました。これは2025年を目指した長期構想ですが、イノベーションの種はナノやバイオのようなフロンティア技術に加え、既存産業を支える基盤技術の革新の両輪でも産み出すべきです。

 当センターではMEMS(Micro Electro Mechanical System)の研究開発を進めています。MEMSは情報通信、自動車、バイオ、医療などの多様な産業分野に適用される超小型、高精度、低コストで省エネルギー性の高いフロンティア技術で、次第に市場が拡大しつつあります。また、MEMS技術は、わが国製造業の基幹部品の高付加価値化、差別化による国際競争力強化のための基盤技術革新をもたらすものとして注目を集めています。このような状況を踏まえ、当センターでは昨年4月にMEMS産業の一層の発展を支援し、わが国産業の国際競争力強化へ貢献することを目的として、「MEMS協議会」(MEMS Industry Forum:略称MIF)を特別事業委員会として発足させました。

 MEMS協議会の活動は、MEMS技術開発、ファンドリーネットワーク、産学官連携、人材育成、規格・標準化、海外展開等、多岐に渡り、MEMS産業発展のための基本問題に係る政策提言や産業交流・活性化事業等を協議会の構成メンバーである企業が中心となって進めています。当センターでは、昨年11月に東京国際フォーラムにおいて「マイクロナノ2006」を開催しました。これはMEMS協議会はじめての情報発信の場である「MEMSフォーラム」や「マイクロマシン展」「MEMS国際標準化ワークショップ」「国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム」「MEMS-ONE成果発表会」から成るもので、マイクロナノ分野の最新の技術・産業動向が一望できる総合イベントとして、好評を博しました。本年は7月に会場を東京ビッグサイトに移して、更に大々的に開催する計画です。皆様方のご参加・ご協力をお願い申し上げます。

 当センターでは、イノベーション創出を通じて、わが国製造業の国際競争力の維持・強化に貢献できるよう、引き続きマイクロマシンとMEMSの基盤技術の確立と産業化を目指した事業を進めて参ります。皆様の一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆様方にとって「実り多い一年に」なりますよう心からお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。


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