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年頭所感

 平成20年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。年頭にあたり所感の一端を申し上げ新春のご挨拶とさせていただきます。

 さて、回復基調にある日本経済ですが、昨年は内閣府から発表される月例経済報告によると、総じて一昨年に比べてやや弱含みとなりました。留意事項である原油価格の上昇基調が続いているのが懸念されます。これまでわが国を発展させてきた20世紀型の大量生産、大量消費型経済活動は、グローバル社会の中において、新興国の急激な経済成長や原油・原材料の不足・高騰、更には環境問題の地球規模での進行等により見直しを余儀なくされております。こうした中、環境と経済活動を両立させ人類が持続的に発展するためにはどうしたら良いかという検討が始まっており、経済産業省から公表された「イノベーション創出の鍵とエコイノベーションの推進」等様々な提言がされております。

 当センターではMEMSの研究開発を進めており、これまで、各種センサなど単機能デバイスの小型・高信頼化を追及した第1世代、より機能を高度化した第2世代(ファインMEMS)と進展してきております。そして今年はいよいよ第3世代のMEMSデバイス(通称BEANS:Bio Electro-mechanical Autonomous Nano Systems)創出を目指した「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト」がスタートする予定です。BEANSは従来の応用分野に加えて環境・エネルギー、安心・安全、健康・医療など幅広い分野での応用を目指したもので、人類の持続的発展を支える技術に繋がるものと期待されます。
 
 日本におけるMEMSの市場も今後急速に拡大することが予測され、当センターがNEDO技術開発機構からの委託で行った調査結果では、第1世代が主力の2005年に4,400億円であった市場規模が、第2世代が加わる2010年には1兆1,700億円、更に第3世代が加わる2015年には2兆4,000億円に拡大することが予測されています。

 MEMS産業発展のため、当センターでは将来を見据えた研究開発を推進するとともに、業界の発展を支え活性化を図るための様々な活動に地道に取り組んでおります。国際標準化はその中で国際競争力を強化する上で重要な活動であり、当センターは昨年からMEMS分野の国内審議団体として活動することになりました。これにより、我々が業界で果たす役割と責任は益々重要になってきております。

 当センターは、引き続きマイクロマシンとMEMSの基盤技術の確立と産業化を目指した事業を進めて参ります。皆様の一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆様方にとって実り多い一年になりますよう心からお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。 


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