MMC > 年頭所感(平成17年)


 平成17年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。年頭にあたり所感の一端を申し上げ新春のご挨拶とさせていただきます。

 昨年は、日本経済もようやく回復基調にのり、製造業界にとっても体質改善努力が実を結び明るい兆しが見えた一年であったかと存じます。本年も、先ごろ発表された内閣府の経済報告によりますと国内民間需要の増加などにより景気回復は今後も続くと見られています。

 しかしながら、既にグローバルな生産・販売・サービスを展開しているわが国の製造業にとりましては、原油価格の高騰や為替の変動などに留意が必要であるとともに、今や世界の工場といわれています東アジア地域間の経済連携協定(EPA)の進展などを踏まえ、さらなる国際競争力の向上を目指さなければなりません。
ますます熾烈になる国際競争下においては、政府の科学技術基本計画にも謳われていますIT、ナノテク・材料及び製造技術などの重点分野において、産学官の連携を図り、積極的な研究開発の推進を通して、さらに高度な技術革新を生み出すことが求められております。

 幸いわが国は、関係の方々の功績により特殊素材合成や精密微細加工に秀でた機能性部品などで国際優位性を保っており、東アジアの製造業はわが国の高度な部品・材料産業を核として集積していると言えます。特にマイクロマシン/MEMS技術は、半導体微細加工技術との融合により応用研究、開発研究が急速に進み、自動車関連分野、情報・通信機器分野及び医療・福祉分野などにおきまして新製品開発のキーテクノロジーとして国内外で高い注目を集めております。

 当センターでは、マイクロマシン/MEMSにおける基盤技術の確立と産業化を目指し、産学官の力を結集して事業を進めてまいりました。昨年は、共同調査研究事業においてMEMSの産業化に向けての検討を重ね、産業化基盤の整備、MEMSファンドリー機能強化のための施策提言などを行いました。さらにこれと併行して、MEMSの設計・開発を効率的なものとするため最先端でかつ利用しやすいソフトインフラの構築を目指す「MEMS-ONEプロジェクト」がスタートしました。このプロジェクトが、ハードインフラの整備であるファンドリーサービス事業と共に車の両輪として機能することにより、MEMS産業の発展、さらにはわが国のものづくり立国の復権に向けた大きな旗印になるものと期待しております。

 当センターは、引続きバイオ技術、ナノテク、IT等先端技術分野の動向を踏まえながら、技術フロンティアへ挑戦し、次世代マイクロマシン(ファインMEMS、ナノマイクロシステム等)の新たな基盤技術の確立を目指してまいる所存です。

 平成17年の皆様方の一層のご活躍とご多幸を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
  


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